理論化学は基礎学術的な発展から社会課題の解決までの広範な話題に関連する学問として発展してきました。そこで、理論化学に関連する各分野の最先端でご活躍の先生を講師にお迎えし、基礎編と応用編の2回のご講演を頂き、今後の理論化学の基礎的な理解からさらなる普及・発展につなげる機会として理論化学レクチャーシリーズを開催致します。

理論化学レクチャーシリーズ#3
日時シリーズ#3・Part1基礎編: 10/28(金) 16:30-17:30
シリーズ#3・Part2応用編: 11/1(火) 16:30-17:30
開催形式オンライン、参加登録者に当日までに参加URLをお送り致します。
講師国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 志賀 基之先生
タイトル第一原理分子動力学の現在と未来
要旨第一原理分子動力学は、大型並列計算機普及とプログラム整備が進み、理論化学の標準的ツールとなってきている。このレクチャーシリーズでは、理論化学を学び始めた学生や若手研究者に向けて、第一原理分子動力学の概要を述べる。また、この分野の技術開発に関する先端トピックスとして、レアイベント問題への取り組み、物質中水素の量子物性の扱い、機械学習ポテンシャルの利用、マルチスケール計算などを取り上げ、将来を展望する。
参加登録下記、Google Formフォームより参加登録をお願い致します。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd94DVFyRO7VT0PhEhH1RBeUWp4ee3WyS6Ix5n3bsauEjEr5Q/viewform
Google フォームにアクセスできない場合は下記問い合わせに直接ご連絡ください。メール申し込みの場合、件名に【理論化学レクチャーシリーズ#3申し込み】と記載してください。
理論化学レクチャーシリーズ#2
日時シリーズ#2・Part1 (基礎編): 6/23(木) 14:00-15:00
シリーズ#2・Part2 (応用編): 6/30(木) 14:00-15:00
開催形式オンライン、参加登録者に当日までに参加URLをお送り致します。
講師理化学研究所 計算科学研究センター 中嶋隆人先生
タイトル電子状態理論:大規模化・多様化
要旨量子化学における電子状態理論は物質科学・生命科学などの多くの研究分野の共通基盤である.コンピュータの高度化・高性能化に伴い,大規模な分子の電子状態を高精度にシミュレーションする要望は急速に増しつつある.しかしながら,従来の電子状態理論は系の大きさに対して計算時間が単純にスケールするのでなく,分子が大きくなればなるほど高い計算コストが必要であり,大規模な分子に適した電子状態理論の開発が必要となる.また,超並列スーパーコンピュータの恩恵に浴するには超並列計算に適した電子状態理論の開発も必要であろう.本レクチャーでは,電子状態理論の基礎の紹介から始めて問題点を浮き彫りにし,問題解決に向けたわれわれのグループの「京」コンピュータや「富岳」での取り組みについて紹介する.
参加登録下記、Google Formフォームより参加登録をお願い致します。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdJnTcCnDjsjUgJdjBeo-zJ8wNzgjqCABlRZJfzg2zEpqW8Hg/viewform
理論化学レクチャーシリーズ#1
日時シリーズ#1・part1 (基礎編): 4/23(土) 15:30-17:00
シリーズ#1・part2 (応用編): 4/27(水) 15:30-17:00
開催形式オンライン
講師大阪大学大学院 基礎工学研究科 松林伸幸先生
タイトル溶液統計力学理論の開発および分子シミュレーションとの融合によるソフト分子集合系の解析
要旨溶液、ミセル、ポリマー、タンパク質系などは、秩序とゆらぎを併せ持つソフトな分子集合系を構成し、その主要機能が、溶解、結合、認識といった物質分配である。本レクチャーでは、ソフト分子集合系における物質分配を記述する統計力学理論を紹介し、ミセルや脂質膜などの自己組織化集合系への異種分子の分配、タンパク質の凝集への共溶媒効果、ポリマーへの小分子溶解などの適用事例について述べる。まず、溶液系の密度汎関数理論を構成し、エネルギー座標の考え方に基づく次元縮減手法を導入する。次いで、液体系への溶解のみならずミセルや脂質膜などへの異種分子の分配まで、ソフトな分子集合系への異種分子の導入を「溶媒和」として捉え、普遍化した溶媒和概念に立脚して溶液(超臨界流体やイオン液体を含む)・ミセル・脂質膜・界面・ポリマー・タンパク質などへの物質分配を、分子シミュレーションとの融合手法によって横断的に解析する。統計力学理論の定式化によって分子シミュレーションの実地応用においてしばしばボトルネックとなる自由エネルギー計算が高速化するだけではなく、溶液密度汎関数理論が物理化学的な理解のための枠組みとしても有用であることを示す。